<ざっくり言うと>
  • 「生活保護不正受給の95%が在日」はデマ
  • 年間の生活保護不正受給数は約4万件。対して在日コリアンの生活保護世帯数は約3万世帯。不正受給の95%が在日だと、在日コリアンの生活保護不正受給数全体を上回ってしまう。
  • もしも在日コリアンが大量の不正受給をしているのであれば、その発覚により、在日コリアンの受給世帯数は大きく減少するはずであるが、在日コリアンの受給世帯数は毎年ほとんど変化がない。
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「naverまとめ」に掲載されていたデマが、ツイッター上で繰り返し繰り返し拡散されたものです。なぜこのような何の根拠もないまとめを拡散する人が何万といたのかわかりませんが、あまりにありえないデマです。

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不正受給に対する誤解アレコレ


在日コリアンの話をする前に、不正受給そのものについての誤解を解いておきましょう。


平成30年(2018年)の日本全体の生活保護受給世帯数は1,615,357世帯でしたが(統計局HP)、そのうち不正受給件数は37,287件でした(厚労省HP)。不正受給は全体の2.3%であり、残り約97%の人たちは不正受給ではないと言うことになります。生活保護を叩いている人たちの中には、「生活保護=不正」というイメージを抱いている人がいますが、それは間違いです。


次に、「不正受給」=「生活保護をだまし取っていい生活をしている悪い奴」というイメージを持っている人が少なくないですが、これも間違いです。生活保護は、世帯全体のありとあらゆる収入を、1円でも過不足なく申告しなければなりません。


例えば、高校生の夏休みのアルバイトで数千円お金を得たなんて場合でも、申告しなければなりません。その申告漏れが発覚した場合、「不正受給」になってしまいます。生活保護の不正受給の多くはこのような意図せぬ申告漏れです。不正受給の全てが意図的に騙そうとする悪質なものではないということは知っておいてください。


それでは、在日コリアンの生活保護について見てみましょう。



不正の95%が在日だと、不正件数が受給件数全体を上回る


前述のとおり、厚労省によれば、平成30年(2018年)の不正受給件数は37,287件です。これの95%と言うと、35,422件です。もしも不正受給の95%が在日であるならば、在日による不正受給が35422件あったということになります。


世帯数別ですと、同年の在日コリアンの被保護世帯数は29,414世帯ですので(統計局HP)、もしも不正受給の95%が在日コリアンだと、不正受給数が全受給数を6000件も上回ってしまいます


不正受給数>全受給数 なんてことがあり得ないことは、小学校で分母と分子を習った人なら、すぐにわかりますよね。不正受給の95%が在日だなんていうのは、あまりにも酷い大嘘です。



「在日の95%が不正受給」も嘘


何とかこのデマを正当化しようと、「『不正受給の95%が在日』なのではない。『在日の95%が不正受給』なのだ」と主張しているサイトもありますが、もっとあり得ないことです。



在日コリアンの過去数年の受給世帯数の変化を見てみましょう。(統計局HPから作成)

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在日コリアンの生活保護受給世帯数は年間約29500世帯前後で大きな増減がありません。もしも大半が不正受給であれば、受給資格を失うなどして大きく数値が増減するはずです。毎年大きな差が出ないということは、そのほとんどが不正受給ではないという証明だと言えます。


それとも、「在日コリアンに不正受給が多い」と主張している人たちは、厚労省が把握していない在日コリアンの不正受給を把握しているとでもいうのでしょうか? 何の根拠があるのでしょうか? このようなものは一般的には「妄想」と呼ばれます。



木を見て森を見ぬことなかれ


冒頭で紹介したnaverまとめなどでは、実際の在日コリアンの不正受給の具体例を示して「在日の生活保護不正受給がひどい」という書き方をしていますが、上述のとおり、生活保護の不正受給は年間4万件弱存在します。4万件のうちの数件、在日コリアンによる不正受給があったとして、なぜ「在日コリアンの生活保護=不正」などという主張ができましょうか。


「在日コリアンの生活保護に不正が多い」などという主張は、ありとあらゆる点で、一切何の根拠もないデマです。

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