<ざっくり言うと>
  • 併合前から韓国では小学校建設が始まっており、ハングル教育が行われていた。
  • 併合後、授業は全て日本語で行われることになった。
  • 朝鮮語は必修ではあったが、日本語理解の補助の道具という扱いだった。
  • 朝鮮語の授業は、授業時数全体の1割に過ぎず、最終的には廃止された。
  • 朝鮮には「夜学」という私塾があり、そこで朝鮮人たちによる自主的なハングル教育が併合前から行われていた。
  • 「日本によってハングルが普及した」は完全に虚偽である。
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「ハングルは日本が広めてやったんだ」デマシリーズ
  1. 併合前のハングル事情
  2. 併合前と併合後の学校教育←イマココ
  3. 辞書編纂と弾圧

前回、「ハングル普及運動は日本統治前から行われていた」ということを書きましたが、今度は併合前後の韓国の学校教育を検討したいと思います。百田尚樹のような人たちは、「日本が学校教育でハングルを普及させてやったんだ」と主張します。今回はこの主張を検証してみましょう。


併合前に学校教育が始まっていた


百田らの主張を読むと、あたかも併合前には韓国に学校がなかったかのように聞こえますが、それは間違いです。併合の15年前、1895年に小学校令が出され、以下のように定められています。


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>>小学校ノ尋常科教科目ハ、修身,読書,作文,習字,算術.体操トス ル 。時宜ニヨツテ体操ヲ除キ, 本国地理,本国歴史,図画 ,外国語ノー科又ハ数科ヲ加ヘ、女児ノ為二裁縫ヲ加エルヲ得。

この時、授業の総時間数の48%が、読書、作文、習字といった朝鮮語教育に宛てられました(参照)。庶民に対する朝鮮語教育は併合前から始まっていたのです。



併合後、授業はすべて日本語。朝鮮語は日本語理解の補助の道具にされる


上述のとおり、併合前は、当然授業は朝鮮語で、さらに読書・作文・習字といった朝鮮語教育に授業時間のおよそ半分が当てられていました。ところが、併合後、状況が大きく変わります。まず、学校における授業は、全て日本語に切り替わりました。


1910年の「朝鮮教育方針」では、


>>日本語の普及を以て当面の急務とし全力を此事に注ぐ事,其方法は
>>(一)初等教育には諺文(ハングル)及漢文を廃して,日本語を以て教授する事



と書かれています(参照)。それまでハングルが用いられていた授業を廃して、授業を日本語に代えてしまったのですから、「日本がハングルを普及させた」などと言うのが事実と異なることがわかります。


朝鮮語は確かに必修科目でしたが、「朝鮮教育方針」によれば、


>>「常二国語(=日本語)ト連絡ヲ保チ時トシテハ国語(=日本語)ニテ解釈セシムルコトアルヘシ」


とされています。朝鮮語授業は朝鮮語は朝鮮文化の保全のためなんかではなく、常に日本語を意識し、時には朝鮮語を日本語で解釈させることとなっていたのです。


つまり、朝鮮語は、日本語理解の補助の道具にまで地位を下げられてしまったのです。


これで、どうして「日本がハングルを普及させた」などと言えましょうか。

朝鮮語の授業時数はわずか1割。最終的には廃止。


朝鮮語の授業時数も決して多いとは言えず、1922年の「第二次朝鮮教育令」では、小学校6年生の1週間当たりの授業数は、30時間中、朝鮮語は3時間だけです。

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他の科目の授業は全て日本語で行われるわけですから、学校の授業における日本語と朝鮮語の割合は9:1だったわけです。


もともと少ない朝鮮語の授業の割合でしたが、第三次朝鮮教育令でさらに減少します。1938年の第三次朝鮮教育令では、朝鮮語が必修科目から外され、授業時間数も、小学6年生では34時間中2時間にまで減らされます。


小学校全体を通しても、朝鮮語の授業に充てられたのはわずか8.7%で、残りの授業はすべて日本語で行われました。しかも、朝鮮語は必修から外されているわけですから、朝鮮語の授業がなかった学校もあったわけです。

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さらに、この僅か3年後1941年の第三次朝鮮教育令一部改訂(第四次朝鮮教育令と呼ぶ人もいる)で、朝鮮語の授業は本当に廃止されてしまいます。名目上は「随意科目」となったものの、「朝鮮語は加設・随意科目として名目上は残存させられたが,その教授要旨等は全面脱落させられており,さらに課程表上からも全面欠落している」そうで(参照)、実質的には廃止同然だったわけです。


小学校における授業時間数の推移は以下のようになっています。朝鮮語の授業は少しずつ減らされ、最後にはゼロになってしまいます。

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参照

『マンガ嫌韓流』では、「併合後に日本は学校教育で朝鮮語を必修科目にしたことでハングルの普及が急速に進んだ」などと主張しています。

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しかし、実際には、もともと朝鮮語で行われたいた授業を全て日本語に切り替え、朝鮮語は日本語の補助の扱いになり、授業時数は全体の1割に過ぎず、最終的には廃止されてしまったのです。「日本の学校教育によってハングルが広められた」なんて主張が全くの虚偽であることがわかると思います。



ハングルは夜学で学ばれた


また、韓国には、併合前から「夜学」と呼ばれる私塾が存在していました(参照)。この夜学というのは特に識字を重視していたようで、こういう様々なハングル普及、識字率向上の努力が、併合前から、併合後も、ずっと続いていたわけです。


上述のとおり、日本統治以前から小学校は作られ始めており、そこではハングル教育が行われていました。日本統治下の学校教育では、朝鮮語は日本語理解の補助の道具にまで地位を下げられてしまいましたが、朝鮮人たちは自分たちで夜学などを開いてハングルの勉強をしていました。


これでも、「日本がハングルを広めた」などと主張できるでしょうか。


次回は、朝鮮語の辞書や、朝鮮語学会について書きます。

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