<ざっくり言うと>
  • 植民地の学校建設は多くの植民地で当然行われていた。
  • イギリスはインドに数多くの大学を建て、ノーベル賞受賞者まで2人出している。
  • フランスやオランダなども植民地に大学を建てている。
  • 大学だけでなく、初等中等教育も行われた。
  • 「欧米は植民地に学校を建てて教育を施したりしなかった」は碌に調べもしないでイメージだけで発言している愚かなデマである。
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近年インターネットを中心に出回っている「朝鮮は植民地ではなかった」論。前回は「植民地にインフラ整備をしたのは日本だけ」というのはデマだというのをご紹介しました。植民地のインフラ整備なんて、日本だけじゃなく、どの国だってやっていたことです。


今回は、「植民地に学校を建てた国は日本だけ」はデマだというのをご紹介します。「植民地に学校を建ててのは日本だけ」という主張は、百田尚樹とか加藤清隆とかケント・ギルバートとか、ネトウヨアイドルたちの間で頻繁に主張されています。>>学校を作って教育制度を整え、ダムや橋を建設して近代国家にした。
>>植民地にこんなことをした欧米先進国はどこにもない。

>>学校も。植民地に帝国大学や旧制高校を建てた国などない。
>>学校を作って庶民に教育を施したりするのは、
>>搾取が目的だった白人国家の「植民地支配」ではあり得なかった

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>>欧米列強の植民地も同じだ。
>>植民地の住民に教育を施すことなどありえなかった。
(『マンガ嫌韓流』)


もちろん、これも愚劣の極みと言っていいほどのデマです。


百田尚樹にしろ、加藤清隆にしろケント・ギルバートにしろ、こんな主張をしている人たちは、ググれば2分で調べられるようなことさえ調べない連中であり、自分の妄想と現実の区別がつかない、思考を停止した愚物と言ってよいでしょう。


今回は、欧米植民地に建てられた学校について見てみましょう。



植民地に学校を建てるなんて当たり前


現実は上で取り上げた人たちのような手法とは真逆で、植民地に学校を建設するなんて、当たり前すぎる行為でした。


まず、イギリス領インドを見てみましょう。イギリスはインドに数多くの大学を建てています。下のリストは、これでも一部に過ぎません。(()は創立年です)


マドラス大学(1857年)

コルカタ大学(1857年)

ムンバイ大学(1857年)

バナーラス・ヒンドゥー大学(1916年)

パトナー大学(1917年)

マイスール大学(1918年)

オスマニア大学(1918年)

ラクナウ大学(1920年)

デリー大学(1922年)

ラシュトラサント・トゥカドジ・マハラジャ・ナガプール大学(1923年)

アーンドラ大学(1926年)

Dr. ビームラーオ・アンベードカル大学(1927年)

アンナマライ大学(1929年)

ケララ大学(1937年)

ウトカル大学(1943年)


まだたくさんあるんですが、書ききれないのでこの辺で。台北とソウルに一つずつ大学を建てた程度で偉そうにしてる場合じゃありませんね。


さらに、インドでは1913年にはタゴールがアジア初のノーベル賞受賞者となり、ラマンが1930年にノーベル物理学賞を受賞しています。これはアジア人として、そして有色人種として初の自然科学系でのノーベル賞受賞です。

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↑有色人種初の自然科学系でのノーベル賞受賞者となったラマン


ラマンはイギリス留学組ではなく、マドラス大学で学んでコルカタ大学の教授となった、インド本国の教育を受けた人物です。当時のインドの大学教育のレベルの高かったことがうかがえますね。


イギリスはインド以外にも大学をいくつも建てています。カイロ大学はエジプトが英国保護国だった1908年に建てられました。


マレーシア最高学府のマラヤ大学と、シンガポールのシンガポール国立大学は、どちらも1905年のイギリス統治下で建てられました。


もちろん、大学を建てたのはイギリスだけではありません。


フランスは、フランス領インドシナに、1902年にハノイ医科大学、1906年にインドシナ大学(現ハノイ国家大学)を、1925年にベトナム美術大学を建てています。また、アルジェリアでは1909年にアルジェ大学を建てています。


アメリカはフィリピンでフィリピン大学を1908年に設立しています。


オランダは1851年に、戦後インドネシア大学となる医学学校を設立しています。1924年にはRechts Hogeschoolという大学機関になりました。バンドン工科大学は1920年設立です。


このように、植民地に大学を建てるなんてことは全く珍しくないのです。




初等教育も行った


もちろん、大学だけでなく、初等中等教育も行われています。こちらの論文によれば、インドではもともと教育が普及していたらしいですが、イギリスは教員養成機関を作り、「1901~1902 年になると、初等学校数は 97,800 校に増加し、就学児童数も 320 万人と なった 」とあります。


フランスも、仏領インドシナで小学校を建て、そこでベトナム語のアルファベット表記を導入しました。これが現在のベトナムの正書法となっているクォック・グーです。まず3年間クォック・グーによる教育ののち、フランス語の初等教育(3年)、上級初等教育(4年)、中等教育(3年)となっていたそうです(参照)。


そもそも、インフラも教育もなしに植民地支配なんてものが成り立つわけがないんです。にもかかわらず、「植民地にインフラを作ったのは日本だけ」とか「植民地に学校を作ったのは日本だけ」とか言い、それどころか「インフラや学校を作ったんだから植民地じゃない」とか言い出す。彼らがいかに無知で何も調べる能力がないかわかります。


「欧米は植民地に学校を建てたりしなかった」「現地に大学を建てた日本はすごい」みたいなことを言う人を見たら、その日宇都は自分で碌に何も調べず、2ちゃんねるレベルの書き込みを鵜呑みにする人間であり、全く信頼するに値しない人間だと判断してよいでしょう。

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