<ざっくり言うと>
  • 「外国人受け入れによって外国人犯罪が増えている」という主張があるが、デマである。
  • 外国人犯罪は、過去10年、ほぼ一貫して減り続けている。
  • 逆に日本の犯罪検挙率は上がっており、外国人犯罪が見逃されているという事実もない。
  • 何かの増減を語るのならば、最低限の統計は見るべき。
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ネット上では、「外国人犯罪が増加している」と主張する者が大勢います。
自称・元警視庁通訳捜査官の坂東忠信も、自身のブログで「外国人犯罪の増加」などと書いています。

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しかし、これらは全てデマです。外国人犯罪は増加するどころか減っています。今回はそれを確認しましょう。



外国人犯罪は、ここ10年ほぼ一貫して減り続けている


現在のところ警察庁が発表している最新データは2018年(平成30年)のものです。そこから過去10年間の外国人の刑法犯罪の検挙件数と検挙人員は以下のようになっています。

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犯罪統計は「外国人犯罪」「来日外国人」「その他の外国人」に分かれており、「その他の外国人犯罪」は、正確には米軍や在留資格不明者も含みますが、大体永住資格を持つ在日外国人だと思ってください。


グラフにするとこうなります。

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検挙件数、検挙人員数ともに、この10年間ほぼ下がり続けています。


また、2009年の来日外国人が僅か679万人で、2018年が3119万人でした。この10年で、訪日外国人の数は4倍以上に増えているのに、犯罪件数は半分以下になっているのですから、「外国人を受け入れた結果、外国人犯罪が増えている」なんていうことがデマであることがはっきりとわかります。



検挙率はむしろ上がっている


このような数字を出すと、「検挙率が下がっているから、外国人犯罪が減っているように見えているだけだ」と主張する人が出てきます。実際、以前「検挙されなくても犯罪は犯罪だ。数字で表れなくても外国人の犯罪が急増しているのは事実」などと言われたことがあります。

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>>数字で表れなくても外国人の犯罪は急増してるのは事実


数字に表れていないのに、どうして「外国人犯罪が急増している」などと思えるのか。思考回路が破綻した人間がいるのだなあと驚かされますが、日本の犯罪は、この10年、認知件数が下がる一方、検挙件数は上がっています

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2009年には1,713,832件だった認知件数が、2018年には817,338件まで下がる一方、検挙率は31.8%から37.9%に伸びています。


よって、外国人の検挙件数の減少は、外国人犯罪が見逃されているのではなく、犯罪自体の数が減っているのだとわかります。


何の統計も見ないで、「外国人犯罪が増加している」なんて言う人たちがいますが、どうして統計を見ないで「増加している」などと発言できるのか、理解に苦しみます。自分の脳内で勝手に作り上げたイメージと現実の区別ぐらいつけてもらいたいものです。増えているとか減っているとか言うのなら、最低限の統計ぐらい見ないと、話になりません。


次回は、「『在日外国人犯罪は日本人犯罪としてカウントされている』はデマ」というテーマでお届けしたいと思います。

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