<ざっくり言うと>
  • コンスデマは2011年のブログの書き込みが初出。
  • 2013年に『engram』という嫌韓ブログがその書き込みを根拠に「朝鮮式立礼」だと認定したことで拡散が開始された。それ以前には、ツイッターなどを調べても一切「朝鮮式お辞儀」に関する記事は見当たらない。
  • 日本のコンビニ等で見られるお辞儀の仕草が朝鮮式であるという根拠が示されたことは一度もなく、全てデマである。

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へその当たりで両手を重ねて立つと、ネットで「朝鮮式コンスだ!」という認定を受けます。

↓「コンス」を糾弾するネトウヨの例
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しかし、前々回紹介したように、同様の動作は世界のあちこちで見られます。

↓ネトウヨの言う「コンス」と同じ動作の例
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(↑台湾)

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(↑中国

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(↑ベトナム

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(↑カタール

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(↑インドネシア

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(↑カナダ

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(↑イギリス

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(↑スウェーデン

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(↑皇室)

にもかかわらず、「台湾式だ」とか「中国式だ」とか「イギリス式だ」とか「皇室の真似だ」とかでなく、「朝鮮式」だと言い出したのは一体だれなのでしょうか?



きっかけは2011年の書き込みか


恐らく「朝鮮式お辞儀」という話が最初に生まれたのは、あるブログの2011年6月20日の書き込みです。

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この書き込みが、手を前で重ねるお辞儀を「朝鮮式」だと断言するおそらく最古のものです。ツイッターなどのSNSを調べても、これより古いものは一切存在しません。


お読みのとおり、「朝鮮式の立礼」とやらの場合、手の位置がへそあたりに置くのだと説明はしていますが、日本のデパートやホテルなどで行われているものがその「朝鮮式立礼」であるという根拠は一切書かれていません。おそらくこの人物は同様の動作が皇室でも海外でも行われていることを知らず、ただたまたま自分が知っていたチマチョゴリを着た時の所作と(それも事実かどうかわからんけど)似ているというだけの理由で、「これは朝鮮式だ」と決めつけたのでしょう。


最初の最初の段階から、日本のデパートやホテルなどの作法が「朝鮮式」であることには何の根拠もなかったのです。



2013年のブログ記事により一気に拡散


それから1年半ほどたった2013年1月、『engram』という嫌韓サイトが、上記ブログの書き込みを鵜呑みにして、「これは朝鮮式立礼だ」として記事にします。

↓2013年初頭段階でのアーカイブ


「朝鮮 お辞儀」でツイッター検索して出てくる一番古いものがこの『engram』というサイトの記事です。この記事以前にはツイッターでも「朝鮮式お辞儀」への言及は一切ないので、ここから拡散したことは確実です。しかし、この段階ではまだ「コンス」という言葉は登場していませんでした。


数か月後、このブログをもとにして、2013年5月26日に【間接侵略】とか【チョウセン撲滅】とか過激な言葉と共に、「【変なお辞儀】の正体は、韓国式お辞儀の『コンス』」というスレが立ちます。

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「朝鮮式立礼」に「コンス」という名前が付いたことで、一気に拡散。同日、有名ネトウヨ遠子先輩が「朝鮮式のお辞儀『コンス』」だとツイート。

2013年5月26日より前には、「コンス 朝鮮」「コンス お辞儀」で検索しても全くヒットしないので、ここから「このお辞儀は朝鮮式の『コンス』だ」というデマが広まっていったと考えて間違いないでしょう。以後、様々な在野のコンス鑑定士たちが次々と日本企業のお辞儀をコンス認定し、在日・反日認定して今に至ります。


しかし、経緯を見ればわかる通り、「チマチョゴリを着た時のお辞儀と似ている! これは朝鮮式だ!」という決めつけがあっただけで、実際に朝鮮式であるという根拠は一切示されたことがありません。


どこの誰が書いたかもわからない書き込みがブログや2ちゃんねる(現5ちゃんねる)やツイッターによって拡散され、独り歩きしていったというのが実態です。


何度も言っている通り、ニホンネトウヨたちが「コンス」と呼ぶ所作は諸外国でも日本でも見られるもので、「朝鮮式」である根拠は全く存在しないのです。

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