<ざっくり言うと>
- 「夫婦別姓は中国韓国に倣うもの」「朝鮮式」などと言って非難する者がいるが、デマ。
- 日本が夫婦同姓になったのは明治31年から。明治9年から31年までは別姓が義務であり、それ以前は決まりがなかった。
- 世界中で、夫婦同姓を義務としている国は日本しかない。夫婦別姓を選択できる権利はワールドスタンダードである。
- そもそも、日本で議論されているのは「選択的」夫婦別姓であり、夫婦別姓が義務である韓国とは方式が異なり、「韓国に倣うもの」だの「朝鮮式」だの言っている人たちはただの無知である。
夫婦別姓反対論者の中には、夫婦別姓を「在日朝鮮人の文化侵略」だの「韓国中国に倣うもの」だの「朝鮮式」だの言って非難する人がいます。
夫婦別姓は韓国式、夫婦同姓が日本式。在日朝鮮人による文化侵略の一環という事か。コンスをはやらせたり、街中をハングルだらけにしたり😒
— ゚・✴✿✨ 𝒎𝒂𝒓𝒊 ✨✿✴・゚ (@mari_318wanko) July 19, 2020
うっとうしい~😱 pic.twitter.com/EWiIZvEIW1
日本は昔から夫婦同姓。
— 百田尚樹 (@hyakutanaoki) 2017年8月5日
中国と韓国は昔から夫婦別姓。
夫婦別姓を訴える福島瑞穂。やはり日本人じゃなかった。
— Y60乗り (@y60nori) 2017年8月5日
夫婦別姓論理者は日本人ではないかもしれない。
— ネイティヴジャパニーズの本音🇯🇵🌾 (@RbDsQRjUtaBppjH) 2017年8月5日
女性が自分の姓に固執するのは自由ですが、そういうのは個人間で済ませるもので、国家が介入する事ではありません。日本には日本の家制度があり、それを基軸に我が国は2679年続いてきました。今更朝鮮式を入れる理などありません。夫婦別姓を導入するとどう日本が壊れるか、もうちょっと考えてください
— はすみ としこ (@hasumi29430098) 2019年3月24日
(『アゴラ』内・八幡和郎の記事)
もちろん、全て嘘です。日本で議論されている夫婦別姓は、韓国や中国の夫婦別姓とは何の関係もありません。
今回は、それを見てみましょう。
夫婦同姓を強制しているのは世界で日本だけ
前回見た通り、夫婦同姓は日本古来からの伝統でもなんでもなく、明治31年(1898年)にできた制度に過ぎません。明治9年から31年までは逆に夫婦別姓が決められていたほどです。
次に、現在日本で議論されているのは選択的夫婦別姓であり、夫婦別姓が決められている韓国とはそもそも方式が異なります。夫婦同姓がよい人は同姓を選べばよいだけであり、喜ぶ人が増えこそすれ、困る人は一人もいません。反対する理由がそもそもないと思うんですけどね。
さらに、現在世界中で、夫婦同姓を義務付けている国は日本だけです。
「現在把握している限りにおいては、『法律で夫婦の姓を同姓とするように義務付けている国』は、我が国のほかには承知していない」(2015年10月の日本政府の答弁書)
夫婦同姓を法律で義務付けている国は、世界で今や日本だけといわれています。かつて、日本のように夫婦同姓しか採用していなかった国々の多くは、90年代までに別姓も選べるようにしました。このため、海外から日本への風当たりが強まっていて、政府は国連の女性差別撤廃委員会から度々、是正を勧告されています。(NHK『時論公論』2015年12月17日)選択的夫婦別姓が、はすみらの言う通り「朝鮮式」とか「中国韓国に倣うもの」だとしたら、世界中の国が中国朝鮮を真似たんですかね? そもそも選択的夫婦別姓は韓国の方式ではないんですけどね。とりあえず気に食わないことは何でも中国と韓国に結び付けようという連中に騙されてはいけません。
夫婦同姓が義務付けられている国が日本以外にない以上、選択的夫婦別姓容認はワールドスタンダードであると言えます。ちなみに、夫婦別姓を義務化しているのは、韓国以外ではカナダのケベック州があります。
何にせよ、夫婦別姓が「韓国中国に倣うもの」なんて言っている人たちは無知の極みだと言ってよいでしょう。夫婦別姓は中国韓国独自の文化ではないし、選択的夫婦別姓はほぼワールドスタンダードであって、韓国とは何の関係もありません。
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