<ざっくり言うと>
  • 教科書に掲載された韓国の読み物や民謡を根拠に「日本の教育現場が韓国に汚染されている」などと言っている者がいるが、デマ。
  • 実際には50以上の読み物のうちに、たった1つ韓国のものが入っているにすぎず、他の国のものもいくつも含まれている。
  • 音楽も、数十ある外国の曲の中に、韓国のものが1つ2つ含まれているに過ぎない。
  • 韓国のものを見ただけでアレルギー反応を起こす異常者たちに騙されないように気をつけよう。
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こんなツイートがバズりました。

百田尚樹も「絶対に間違ってる!」「日本の教育界に、帰化韓国朝鮮人あるいは在日韓国朝鮮人が浸透しているとしか思えない!」などと反応しました。

この人たちのように、韓国関連のものを見ただけで、まるでアレルギー反応のように過剰な反応を見せる人がいますが、もちろんこんなのはデマです。


まず、ここで取り上げられているのは光村図書の小学校国語教科書3年生に載っている『三年とうげ』という作品ですが、李錦玉という三重県出身の在日朝鮮人二世の人が描いた創作絵本です。元ネタは朝鮮の昔話だそうですが、最初っから日本語で書かれて、日本で出版された絵本です。


次に、光村図書の教科書は、毎年1つか2つぐらい外国の読み物を入れています。
1年生: 
『おおきなかぶ』(ロシア民話)
『ずうっと、ずっと、大すきだよ』(ハンス=ウィルヘルム、西ドイツ⇒アメリカ

2年生:
『スイミー』(レオ=レオニ、オランダ) 
『お手紙』(アーノルド=ロベール、アメリカ
『スーホの白い馬』(モンゴル民話)

3年生:
『三年とうげ』(李錦玉、朝鮮
『とらとおじいさん』(アルビン・トレセルト、アメリカ

4年生:
『かげ』(ニコライ=スラトコフ、ロシア

5年生:
『のどがかわいた』(ウーリー=オルレブ、ポーランド

6年生:
外国物なし
6年生以外、外国の読み物が入っていますし、それにアメリカのものが3つ、ロシアのものが2つ入っているのに、そのうちに一つ朝鮮のもの(それも、もともと日本語で書かれたもの)が入っていて、「朝鮮に汚染されている」とか、出鱈目もいいところです。なんで「アメリカに汚染されている」とか「ロシアに汚染されている」とか「ポーランドに汚染されている」とかは言わないんでしょうか。


また、「なぜ、日本の民話、民謡を教えないんでしょうか?」などと言っていますが、もちろんこれも出鱈目。光村図書の国語教科書では、読み物が全部で53篇ありますが、44が日本のもの。外国由来のものは9つで、韓国朝鮮のものはそのうち上記の『三年峠』ひとつだけでした。(参照


53篇中、たった1篇、在日韓国人が書いたものが入っているだけで、「教育現場が韓国に汚染されている」「絶対に間違ってる!」「日本の教育界に、帰化韓国朝鮮人あるいは在日韓国朝鮮人が浸透しているとしか思えない!」などと言い出す人たちの頭が、どれだけ偏見に汚染されているかわかるというものです。


また、「音楽では韓国の民謡も歌わされています」とのことですが、例えば教育芸術社の音楽教科書だと、外国の曲や歌はこれだけ入っています。
1年:
ぞうさんの さんぽ(デンマーク)
しろくまの ジェンカ(アメリカ)
ぶんぶんぶん(ボヘミア)
おどる こねこ(アメリカ)
シンコペーテッド クロック(アメリカ)
きらきらぼし(フランス)
ラデツキー こうしんきょく(オーストリア)
ちょうちょう(ドイツ)

2年:
ロンドンばし(イギリス)
子犬のビンゴ(アメリカ)
はしの 上で(フランス)
トルコこうしんきょく(ドイツ)
たぬきのたいこ(チェコ)
かっこう(ドイツ)
メヌエット(ドイツ)
かえるの がっしょう(ドイツ)
ドレミのうた(アメリカ)
山の ポルカ(チェコ)
人形の ゆめと 目ざめ(ドイツ)
小ぎつね(ドイツ)
こうしんきょく(ロシア)

3年:
きらきらぼし(フランス)
メヌエット(ドイツ)
山の ポルカ(チェコ)
パフ(アメリカ)
トランペットふきの休日(アメリカ)
アレグロ(オーストリア)
かね(フランス)
エーデルワイス(アメリカ)
ちびっこカウボーイ(イタリア)
よろこびの歌(ドイツ)
ミッキーマウス マーチ(アメリカ)

4年:
子どもの世界(アメリカ)
パパゲーノとパパゲーナの二重唱(オーストリア)
いろんな木の実(西インド諸島)
ブラジル(ブラジル)
せいじゃの行進(アメリカ)
ゆかいに歩けば (ドイツ)
白鳥(フランス)
美しきロスマリン(墺→仏→米)
ファランドール(フランス)
ハッピーバースデートゥーユー(アメリカ)
メヌエット(フランス)
クラリネット ポルカ(ポーランド)
茶色の小びん(アメリカ)
オーラ リー(アメリカ)
冬の歌(ブルガリア)
チキ チキ バン バン(アメリカ)
トラジ打令(朝鮮)
小さな淡黄色の馬(モンゴル)

5年生:
リボンのおどり(メキシコ)
アイネ クライネ ナハトムジーク(オーストリア)
双頭のわしの旗の下に(オーストリア)
静かにねむれ(アメリカ)
こげよ マイケル(アメリカ)
威風堂々(イギリス)
キリマンジャロ(ドイツ)
失われた歌(イギリス)
ほたるの光(イギリス)
アリラン(朝鮮)
まつり花(中国)

6年生:
ラバーズ コンチェルト(アメリカ)
メヌエット(ドイツ)
木星(イギリス)
星の世界(アメリカ)
ハンガリー舞曲(ドイツ)
メヌエット(ドイツ)
コンドルは飛んで行く(ペルー)
これだけ多くの中で、韓国のものは『トラジ打令』と『アリラン』の2つだけです。もしも『金日成将軍の歌』とか歌わせたら問題でしょうけど、これで「日本の教育現場が韓国に汚染されている」などと言うのなら、『ぶんぶんぶん』を歌ったらボヘミアに洗脳されるのでしょうか? 『カエルの合唱』を歌ってたらドイツに洗脳されるのでしょうか? 卒業式で『ほたるの光』を歌うのはスコットランドの陰謀だったのでしょうか?


このように、たった1つや2つ韓国のものが教科書に入っていただけで「汚染されている」などと大騒ぎする人のなんと愚かなことか。この人たちの韓国アレルギーは、韓国人の反日なんかよりも何百倍も異常だと言うしかありません。もう少し冷静な目を養ってほしいものです。

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