<ざっくり言うと>
  • ネットで広がる「手を前で重ねる朝鮮式お辞儀・コンス」はデマ。
  • 立ち方がコンスだったり、お辞儀がコンスだったり、手を前で重ねても肘を張らなければコンスじゃなかったり、肘を張ったらコンスだったりと、定義さえはっきりしない。

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インターネット上で、手をおなかあたりで重ねる立ち方やお辞儀が、朝鮮式の「コンス」と呼ばれるものだという噂が広がっております。このポーズをしたものは、在日認定されたり反日認定されたりしてしまうのです。
もちろん、これはネットで作り出された被害妄想の一つです。なぜか、嫌韓の人たちは、「日本文化が韓国に侵略されている!」と主張します。彼らの脳内では、韓国には日本のお辞儀の仕方まで変えてしまうほどの文化影響力があるんでしょうか?



1.コンスの定義が曖昧なままのコンス認定


そもそも、コンスとは何なのでしょうか。さて、まとめサイトなどでしばしば引用されているのがこのサイトの説明です。

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「手の位置と姿勢」

お辞儀をする時は通常、写真のように両手を前で自然に合わせます。これをハングルで「コンス」と言います。クンジョル(韓国伝統の最上級のお辞儀)の前や後、それから目上の人の前ではこの姿勢をとります。両手を合わせる際、親指と親指をクロスさせ、残りの指は綺麗に揃えます。男性は左手が上に来るようにし、女性は右手を上にします。肩が上がったり脇が空いたりしないよう自然に手を合わせ、おへその辺りで合わせるといいでしょう。
このサイトの説明が正しいとすると、男性は左手が上、女性は右手が上で、親指と親指をクロスさせて、残りの指はきれいにそろっているはずです。


ところがネットでは、単に手を重ねているだけでコンス認定されていますし、朝鮮式の「お辞儀」だったり、朝鮮式の「立ち方」だったり、人によって言うことが変わります。

既にこの時点でコンス認定というものが怪しげだとわかります。

2.コロコロ言うことが変わるコンス認定


コンスというデマを広めた一人として、竹田恒泰を挙げることができます。

彼はJALの広告を「朝鮮式の立ち方」「コンス」だとし、日本式では、手を前で組む立ち方はしませんと言っています。


ところが、皇室の人たちも手を前に組んで立ったりお辞儀をしたりしていると指摘が入ります。
すると竹田恒泰は主張を変更。手を前で組むこと自体は可能です。肘を張ると『コンス』になります」と言い出しました。

「日本式では手を前で組むことはしません」と言っていたのに、わずか55分で「手を前で組むこと自体は可能」と大幅な訂正。いかにコンス認定が曖昧なものであるかよくわかります。竹田が何を根拠に「肘を張るとコンス」などと言いだしたのかは全くわかりません。おそらくは皇室の写真をコンスじゃないとするために思いついたいいわけでしょう。


この竹田の主張の影響か、この後「肘を張ってる! コンスだ!」という言説がネット上に広まっていきます。


立ってるだけでコンスだったり、これでお辞儀をするのがコンスだったり、手を重ねてればコンスだったり、手を重ねても肘を張らなければコンスでなかったりと、そもそも何がコンスなのかも曖昧なまま、嫌韓な人たちがコンスだコンスだ騒いでいるのが実態です。


次回は、このポーズが朝鮮の「コンス」などではなく世界的に行われているものだということをご紹介したいと思います。

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